Mary Hopkin, Live At The Royal Festival Hall 1972 (1972)

live_at_the_royal_festival_hall.jpg 数年前に、メアリ・ホプキン・ミュージックというところから秘蔵音源が発売され始めたとき、食指が動いたものの、どのCDにも3000円以上の値段がつけられており、2000円以上のCDはめったに買わない自分としては、限定盤だとは思いながらも結局決心がつかなかった。

 ところが先日ユニオンをのぞいたら2100円で再発されていたのである!しかも、何枚か出されていたうちのライブ音源盤。モノクロ美ジャケ。というわけで5年越しに購入がかなった。

 メアリ・ホプキンが、アイドル歌手ではなく、地元のケルト音楽の歌い手であることは今ではきちんと認識されている事実であろう。このライブの中にはおそらくはゲール語で歌われている曲がおさめられている。どんなトラディショナル・ソングでも、時や空間を越えて、普遍性をもった曲に聞こえるのは、ホプキンが真の歌手であるからだろう。どのような曲を歌っても、彼女の力強い声によって曲が生き生きしているのだ。

 このライブはほとんどアコースティックで、パートナーのトニ・ヴィスコンティらの弾き語りにあわせて、彼女の生々しい歌声が聞ける。しかも、特に編集など施していないため、歌い終わったホプキンの咳払いまで聞こえるくらいだ。まさに記録としてとどめられたライブという雰囲気がいい。

 曲も、ギャラガー&ライル、ビートルズ、ジョニ・ミッチェル、などどれも歌うことの喜びに満たされている。72年当時、ホプキンがいかに高い志をもって音楽創作に打ち込んでいたか、それを証明する貴重な音源である。