Hitchcock, Robyn & Partridge, Andy

102039.jpg Robyn HitchcockとAndy Partridge。自分が夢中になって聞いていたミュージシャンが、一緒に曲を作ったという知らせは、まるで自分のレコード棚を二人が覗いていたのかとあらぬ幻想を抱くくらいにうれしかった。

 とはいえ今回はEPどまり。収められたのは4曲だけ。でもどの曲からもブリティッシュな音作りのこだわりが伝わってくる。
 一曲目、Tune me on, Deadmanは実際にはTaxmanの展開。ビートルズのこの曲を下敷きに、ドライブ感のあるサイケデリックなメロディが展開される。あのリヴォルヴァーの感覚である。

 二曲目Flight Attendantsは、よりサイケデリックな展開の曲。今回のEPのメインヴォーカルはヒッチコックだが、彼の爬虫類っぽい粘り気のある声がねじれたメロディにうまく絡んでいる。

 三曲目は、うってかわって、アコースティックな小曲。物語形式の歌詞の雰囲気もあわせて、ポール・マッカートニーの『ラム』を彷彿とさせるメルヘンチックな曲調が楽しい。

 そしてラストのPlanet Englandは、クリスマス・ソングかと思わせる華やかな美しい曲。華麗なストリングスから、後半はギターのリフレインへと移っていくその流れがきらびやか。

 4曲を通してきいてみると、全面に出ているのはヒッチコックだが、曲の構成やメロディはパートリッジの味がよく効いている。それはXTCよりもむしろ彼らの変名バンドDukes Of Stratosphearを思い起こさせる。それはやはりサイケデリックなねじれ具合が感じられるためだろうか。いずれにせよ、この二人のアルバムを早く聴いてみたい気持ちに駆られる、充実したEPだった。