授業

19年度秋学期修士研究会(木曜日第5限)
  第1回
デカルト『方法序説』ー 動物論を中心に
  第2回
小松美彦『生権力の歴史』第二章「人体革命の時代」
  第3回
生田武志『いのちへの礼儀』ー ピーター・シンガーの「動物の解放」について
  第4回
「現代思想2019年11月号 反出生主義を考える」
第5回
小手川正二郎「『責任を負うこと』と『責任を感じること』 ー レヴィナスの責任論の意義 ー


16年度秋学期言語とヒューマニティ(水曜日第1限)

授業シラバス
主題;喪失と芸術
内容: 私たちの人生は、何かを得てゆく過程であると同時に、絶えず何かを失う過程であると捉えることができる。愛する人の死のように私たちの大きく揺るがす出来事もあれば、老いをむかえるにつれ、体力や記憶が弱くなるといった自分自身の中の喪失もある。希望や情熱といった精神的なものの喪失もある。そして誰にも必ず訪れる死。私たちの日常は喪失の連続と言っても過言ではない。  

 しかし私たちはどれだけこの絶対的事実を意識しているだろうか。私たちはそうした体験を得て初めて喪失に気づくのではないだろうか。さらにはたとえ体験しても、その体験の意味を私たちはどこまで考えているだろうか。大概は借り物のことばで済ませて、自らその意味を深く考えることもなく、日常をやり過ごしていないだろうか。
 この授業では、芸術体験を、そうした自動的に流れていく時間意識に抗し、生を新たな様相で捉える機会と考える。芸術は、私たちの生きる日常は、実は「こうでもありえる」と可能態として提示する行為であるとここでは定義する。具体的には喪失を喚起する機能を持つ芸術作品を取り上げて、その意義について考察する。

 もちろん、大きな疑問も同時に起こってくる。文学や芸術という「作品」に「現実」そのものを表現する力は備わっているのだろうか。ことばや絵画は、喪失という私たちにとって過酷な現実を前に力が及ばないのではないか。あるいは逆に、芸術こそが私たちを幻想へと誘い込み現実を見る目を曇らせてしまうのではないか。こうした疑問を持ちながらも「芸術にできること」を深く考察してゆきたい。

 今学期は「戦後日本」を意識した芸術作品を扱う。

芸術文化論

 授業内容

  第1回
・Vocabulaire
・Clefs d'analyse (Faire très grand ou très petit | Musée du Louvre | Paris)
・Regarder le tableau - Ingres «Raphaël et La Fornarina»

  第2回、第3回、第4回
・Vocabulaire
・Clefs d'analyse (Organiser l'espace avant la perspective| Musée du Louvre | Paris ) → annulé
・Regarder le tableau- Monet «Nénuphars»

  第5回
・Clefs d'analyse - Luca Clanach «Les trois grâces»
・Regarder le tableau- Picasso «Minotauromachie»

  第6回
・Regarder le tableau- Picasso «Minotauromachie»
・Clefs d'analyse (Composer un tableau | Musée du Louvre | Paris)

  第7回
・Regarder le tableau- Les frères Le Nain «Repas de paysans»

  第8回
・Regarder le tableau- Vincent van Gogh «Route avec un cyprès et une étoile»

  第9回
・Regarder le tableau- René Magritte «Golconde»

  第10回
・Regarder le tableau- William Turner «Tempête de neige en mer»

  参考文献
・Arras, Daniel, On n'y voirt rien (2000)
・上野行一『私の中の自由な美術』(2011)
・アメリア・アレナス『なぜこれがアートなのか?』(1998)

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