Number Girl, OMOIDE IN MY HEAD 2〜記録シリーズ1〜 (2005)

kiroku_series_1.jpg CD4枚+DVD1枚。ディスク・ユニオンの中古で2000円ちょっとで購入。DVDはオースティンでのライブだが、これは必見。どの曲もメンバーがはねている。とくにギターとベース。若いバンドの演奏って実にいいと感じさせてくれる。とにかくすばらしい。

 Disc2は前半が新宿JAMでのライブ。あの狭い空間で濃密な音楽が流れたかと思うと、感慨深い。一曲目Omoideはもったいぶったイントロが実にかっこよく、ドラムのロールからギターが入ってきてのっけから最高にスリリングなのだが、このテイクはドラムのバランスが大きいせいか、かなりストレートな曲に出来上がっている。解散直前にくらべれば曲のもつレンジがせまいけれども、ライブバンドとして卓越した技量をみせつける爽快さがこのテイクにはある。次の「大あたりの季節」もノイジーではあるが、いわゆるロックバンドの定式を抜け出しているわけではない。ライブバンドのノリだけで押し通してしまう若さがあるといおうか。いったいこのバンドはどれほどのスピードで円熟へと達してしまったのだろうか。

 このdisc2を聞くと、演奏力だけでは歴史にならないことを強く感じる。このライブだけでは、Number Girlが日本のロック史に名を刻むバンドになったかどうかわからない。演奏だけではなく、いわゆるオーラのようなもの、唯一無二なものが生まれて初めて、歴史の中でこのバンドを考えることができる。解散時の圧倒的な存在感、何かが取り憑いたような存在感ではない。たとえば8曲目「日常を生きる少女」など、このテイクでは単調なタテノリで、性急で突っ込みがちだ。しかし「シブヤ」では、それだけではおさまらない幅がある。ヴォーカルが遠いといおうか、それでも曲として深まりがあるのだ。空気をつかんでひきのばしたような、それでいてはりつめた音の世界が広がってゆく。

 Disc4は、裸のラリーズのように、ギターのエコーと、それがノイズとなって渦巻くところから曲が始まる。最高にかっこいい始まり方だ。この1曲目の「日常に生きる少女」から2曲目の「Omoide」へとつながるところも実にいい。Omoideは渋谷のライブ盤、そして札幌ラストコンサートのテイクの鬼気迫る「いってしまった」感にくらべると、こちらのテイクは、たたみかける「まともな」演奏だが、音の圧力はひけをとらない。

 このdisc4のベストテイクはZazenbeats kemonostyle。もともとヴォーカルは叫びではなくうなりのようなものだが、この曲では吠えまくっている。サイケデリックなギターによる演奏が延々と続き、そこにひたすらヴォーカルがかぶってくるところ、この10分のノイズの渦巻きが圧巻だ。そのあとのeitht beaterもやたら攻撃的だ。もうこれ吠えまくりでほとんど歌になっていない・・・実にエフェクターの効き具合がたまらない。

 で、disc1,4はまだ聞く時間がない・・・